高脂血症について
血液中のコレステロールや中性脂肪が正常範囲を超えて増加した状態を言います。
コレステロールが増えすぎると、動脈硬化やそれに基づく心臓病(狭心症や心筋梗塞)などさまざまな病気の原因となります。
<診断基準>
高コレステロール血症 総コレステロール ≧220mg/dl
高LDL(悪玉)コレステロール血症 LDLコレステロール≧140mg/dl
低HDL(善玉)コレステロール血症 HDLコレステロール<40mg/dl
高トリグリセリド(TG)血症l トリグリセリド≧150mg/dl
<治療方法>
◇食事療法
動物性脂肪(バターや卵黄、肉の脂身)の摂取をおさえて、食物繊維(豆やいも、野菜、海草)を十分に摂る。アルコールやタバコを控える |
◇運動療法
速歩き、ジョギング、水泳などを毎日無理のない範囲で行う。
(狭心症など合併症がある場合は、体に適した運動量を医師に指示してもらいましょう)
◇ 薬物療法
抗高脂血症薬が使われます。
・肝臓でのコレステロールの合成を抑制する働きのある薬物
・胆汁酸として排泄するのを促進する薬物
・血液中の脂肪の代謝を促進する薬物
・腸管から吸収されるコレステロールを抑制する薬物などが主な薬です。
高脂血症は動脈硬化などの症状が出る前に発見して
治療を行うことが大切です。
定期的に血液検査・血圧測定・心電図検査を受けましょう。
【主な高脂血症用薬の分類】
1.HMG-CoA 還元酵素阻害薬
プラバスタチン | メバロチン錠/細 |
シンバスタチン | リポバス錠 |
フルバスタチン | ローコール錠 |
アトルバスタチン | リピトール錠 |
ピタバスタチン | リバロ錠 |
1)コレステロールの合成阻害薬であり,コレステロール低下作用は最も強力
2)高コレステロール血症に対する第1選択薬
2.フィブラート系薬剤
クロフィブラート | ヒポセロール |
クリノフィブラート | リポクリン錠/細 |
ベザフィブラート | ベザトールSR 錠ベザリップ錠) |
フェノフィブラート | リピディルcap |
1)VLDLの異化促進,合成阻害により,主にTGが低下する.新しい薬剤では総コレステロールも低下
2)ニコチン酸との併用もよい
3.ニコチン酸および誘導体
ニコモール | コレキサミン錠 |
ニセリトロール | ペリシット錠 |
1)VLDL産生低下によるLDL,TGともに低下し、HDLコレステロールは上昇する
4.イオン交換薬
コレスチラミン | クエストラン散 |
コレスチミド(コレスチラン) | コレバイン顆/ミニ粒/錠 |
1)コレステロールの代謝・排泄を促進し,LDLコレステロールが低下する.TGは上昇することが多い
2)TGが高い例では使用しない方がよい
5.プロブコール
プロブコール |
シンレスタール錠/細 ロレルコ錠/細 |
1)作用機序は不明であるが,LDLコレステロールが低下する. HDLコレステロールも低下することが多い
2)総コレステロール低下作用以外に,特異な抗動脈硬化作用があ るとされ,注目されている
6.小腸コレステロールトランスポーター阻害剤
エゼチミブ | ゼチーア錠 |
小腸でのコレステロールの吸収を選択的に阻害し、その結果、肝臓のコレステロール含量を低下させ、血中コレステロールを低下させる。
7.EPA製剤
イコサペント酸エチル |
イコサペント酸エチル エパデールカプセル エパデールS |
1)血清脂質低下作用
2)血小板凝集抑制作用
3)動脈の伸展性保持作用
閉塞性動脈硬化症患者にも使われる
薬品名は、先発薬品のみ記載
テイクとりのき薬局